ウェルノウン・テキスト(WKT: Well-known Text)は、ベクタージオメトリオブジェクトを表現するために使用されるテキストマークアップ言語です。WKT文字列は、点(point)、線(line)、ポリゴン(polygon)、またはマルチジオメトリオブジェクト(multi-geometry object)などのジオメトリオブジェクトを、その空間参照システム(Spatial Reference System: SRS)ととも表します。これは、異なるシステムやアプリケーション間で空間データ(spatial data)を交換するために設計された、人間が読み取り可能な形式です。WKTは、地理情報システム(GIS)、空間拡張機能を持つデータベース、および空間データを扱うその他のアプリケーションで一般的に使用されています。この形式では、ジオメトリタイプが指定され、その後にジオメトリを定義する座標が続きます。例えば、点は POINT (x y) として、ラインストリング(線)は LINESTRING (x1 y1, x2 y2, ..., xn yn) として、ポリゴンは POLYGON ((x1 y1, x2 y2, ..., xn yn, x1 y1), ...) のように表現されます。座標は通常、十進数(decimal numbers)で表されます。WKTは広くサポートされている標準であり、地理空間(geospatial)領域における相互運用性(interoperability)のための貴重なツールとなっています。